「杮落とし」の意味は分かりますよね。劇場や映画館が新築・改築をして初めて行う興行のことです。
では何故「こけら」なのでしょう?そもそも「こけら」って何でしょう?
「こけら」とは木材を削った際にできる木屑や木片の事です。
新築または改築工事の最後に、屋根に残った木屑・木片を払い落として興行を始めたことが語源となっています。
厳密に言うと、屋根のない屋外のステージや競技場での落成後の最初のイベントを「こけら落とし」と言うのは誤用というわけですが、現在では、そんな細かい事へのこだわりはないようです。
「こけら」という単語の後には「おとし」しか思いつかなかったけど、もう1つ「こけら葺き」という屋根(建築)用語があります。
杮葺きは板葺き屋根工法の1つで板厚2~3ミリの杉や椹(さわら)の薄く短い板を重ねて葺く、かなり古来からの伝統手法のようです。
1枚1枚が薄いため曲線的な造形も可能らしく、主に書院や客殿、高級武家屋敷に用いられたとのことです。
代表的な建造物に「桂離宮古書院」、「円覚寺舎利殿」、「消失前の鹿苑寺舎利殿」がありますが、最後のは金閣寺のことですね。
消失後再建の金閣寺の屋根は宝形造・杮葺きと記載されているので、「こけら葺き」には違いがないようです。