屋根の形状と強度について
台風シーズンが到来すると「我が家の屋根は大丈夫だろうか?」と、つい気になってしまう屋根の強度。
様々な形がある屋根ですが、どの形状が台風・暴風に強いのでしょうか?チョッと調べてみました。
ポイントは風を受ける面の数とその大きさという事になるので、屋根の面が少ない形状ほど各面で受ける風量が増すため、強風に弱いという事になります。
傾斜が1方向しかなく屋根が1面の片流れが最も風に弱い形状という事になり、2面で構成されている切妻屋根も比較的風に弱い形状と言えます。
傾斜のない陸屋根は風の影響を受けにくいのですが、大きな折板屋根を設置すると折板屋根自体が
軽くて面積も大きいため、風の影響を強く受けてしまいます。
屋根が4面で構成されている寄棟屋根やピラミッド型の方形屋根が最も風に強い形状と言われています。
どちらの方向から風が吹いても屋根の特定の面や一部分に力が集中してかからないドーム屋根が一番良いのでしょうが、一般家庭には決して現実的ではありません。
ここまでで述べたのは、単に風に対しての形状的な強度であり、実際の屋根そのものの
風に対する強度は施工や工法によるところも大きいので、必ずしも寄棟が切妻よりも強いわけではないことも知っておいてください。
せっかくなので代表的な形状の屋根のメリットとデメリットを記載しましょう。
1.切妻屋根
最もなじみの深い三角屋根で、子供に家の絵を描かせると、ほとんどの子がこの屋根を描きます。
【メリット】
①.コストが安い
②.雨漏りのリスクが少ない(水はけが良い)
③.屋根裏のスペースを広く確保できるので換気性が良い
④.洋風/和風のどちらでも合う
⑤.屋根面積が広いので太陽光発電パネルが設置しやすい
⑥.将来発生するリフォーム費用が経済的
【デメリット】
①.妻側(ケラバ側)の壁面に太陽光や雨水が当たりやすいため、妻側壁面が劣化しやすい
②.デザインが一般的で個性を出しづらい
2.片流れ屋根
スタイリッシュなデザインに仕上がることから、近年増加傾向にあります。
【メリット】
①.コストが最も安い
②.屋根裏のスペースを広く確保できるので換気性が良い
③.高い位置に窓を設置できるので、部屋が明るくなる
④.棟に関するトラブルがない(屋根のトラブルでは比較的多いトラブル)
⑤.屋根面積が広いので太陽光発電パネルが設置しやすい(北向きの場合は残念
)
⑥.将来発生するリフォーム費用が経済的
【デメリット】
①.耐風性が低い
②.日照を得られる時間が少ない
③.妻側(ケラバ側)および軒先反対側の壁面に日差しや雨水が当たりやすいため、外壁が劣化しやすい
④.壁面からの雨漏りリスクが高くなる(特に軒ゼロの場合は飛躍的に高くなる)
⑤.屋根面積が狭いため雨水を受ける量が多く、屋根が劣化しやすい
⑥.棟換気が設置できない
3.寄棟屋根と方形屋根
全方向に面があるため耐風性が高く外壁への負担も少ないです。
初期費用やリフォーム費用は割高になりますが、日射や雨などの影響をやわらげれるため、
長期的な住宅保護の観点では最も優秀な屋根といえるかもしれません。
【メリット】
①.耐風性が高い
②.落ち着きのある外観になる
③.4方向全ての外壁が保護できる(ただし、4方向の軒先を長くすることが条件)
④.壁面量が減る(高価な外壁材を使用する場合には経済的)
⑤.雨量、雪量を分散させることができる
【デメリット】
①.トータルコストの負担が大きい
②.リフォーム時に部材合わせによる使用材料のロスがかなり発生する
③.雨樋や棟が長くなるので、雨漏りリスクも増える
④.軒天のメンテナンスやリフォームが必要になる
⑤.屋根裏のスペースが小さくなる
⑥.太陽光発電パネル数が制限される
4.陸屋根
モダンなデザインになることから一般住宅にも採用されることが多い。
【メリット】
①.屋上のスペースを有効的に使える
②.掃除やメンテナンス作業が楽
③.モダンな印象に仕上がる
【デメリット】
①.勾配がないので、排水をきちんとしないと水が溜まってしまう
②.定期的な防水(床)メンテナンスが必要
③.断熱性が低く、室内温度が上がりやすい
④.太陽光発電パネルを設置する場合、斜めに設置するための架台が必要になるので費用が高い
いくら「片流れ屋根」や「切妻屋根」が比較的風に弱い形状と言っても、現代の建築技術をもってすれば屋根被害などは考えにくい事です。
毎年のようにテレビのニュースで聞かれる台風による屋根被害は、メンテナンスを怠って何年も経過している家屋についてのことだと思います。
大切なのは屋根の形状もさることながら、確かな施工と、その後のメンテナンスに尽きるという事ですね。
くれぐれも「手抜き工事を行う施工業者」や「詐欺まがいの悪徳リフォーム業者」に引っかからないようにする事が大切な家を守る一番の重要ポイントです。
8時~17時まで受付中!
0120-8686-25